
京都に一時的に住んだのは3年前の夏のことだった。
自転車でぷらぷらと街散策していると、
「あれ、見覚えのある字だ」と暖簾に目が釘付けになった。
母の尊敬する「望月通陽」さんのデザインだった。
ひらひらと揺れる暖簾の中に入りたい。
でも、ギャラリーなんて私にはまだ早い。
そんなふうに思っていた。
3年後ここに通うことになっているなんて、
きっとその時は夢にも思っていなかっただろう。
うつわのギャラリーと呼ぶにはちょっと抵抗がある人もいるかもしれない。黒田泰蔵の白磁の作品と井上有一の書となると、ファインアートの世界だろう。よきものを鑑賞し、豊かな時間を紡ぎたい。京都に、ひっそりと新しいギャラリーが誕生した。
2022年ウェブマガジン HAMAKOより
gallery 京都寺町菜の花
■京都府京都市中京区寺町通丸太町下ル下御霊前町633
■075-708-7067
■12:00~18:00 水休
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